みんなの木(高島市の障がい児支援施設)が大切にしていること
2020/10/03
高島市の障害児支援を続けてきて、早4年目になるみんなの木です。今日は、大人になってから周りの人と頻繁に繰り広げるようになったあることについて述べたいと思います。
それは「学校じゃ教えてくれなかった!」論争です。
きっかけは、とっても些細なことでした。友人とおすすめフレンチトーストの作り方について話をしていると、友人は私と全く違う工程で作っていると知って驚き。聞けば、某テレビ番組で、アパレイユ(パンを浸す液)は卵と牛乳を混ぜがちだが、卵が混ざるとパンに染み込みにくくなり、さらに火がしっかり通ってないとできあがりが生臭くなってしまうとのこと。(最終、好みによるのですが・・・)そういう、おとなになってから新しく知った便利知識を聞くたびに「そんなの、学校で教えてもらってなーい!」と心の中で叫んでしまいます。
小学校の家庭科って何を作っていたでしょうか。昔過ぎて覚えていませんが、高校生の時の家庭科はおにぎりを握ったことは覚えています。おにぎり、まあ握ったことあれば握ったことない人もいますしね・・・。
大学受験の時に、受験あるあるの「こんなの勉強してなにになるの?」期が私にも来ました。二次関数?微分積分?太平天国の乱?ファージ????がむしゃらに勉強すればいいのよ!と今なら当時の自分に言ってあげられる気もしますが、実際は難しかったのだと思います。そんな時に、算数や数学が身近に使われている例をたくさん載せてくれていたある本に出会いました。何年も前ですが鮮明に覚えています。(タイトルは忘れました)まず、微分、積分の考えが、wifiなどのネット通信を快適にしているということ。災害で家が傾いた時に災害保険の請求に三角関数が役立つ(かもしれない)ということ・・・。確かに、限りある学校生活で大人になるために必要な知識をすべて教えてもらうのは不可能なことかも知れません。ですが、習い事をしなくてもある程度のスポーツの基礎がつけられればいいのに、一般的にはタブー視されている、お金の話も、子どもと一緒に考えるのも大切にじゃないのかなあと思ったりするのです。なにより、せっかく文字通り汗水流して手に入れた知識を、ほとんど使わずに大人になるのはどうももったいない気がしてならないのです。学校の先生は、このコロナ禍で予定していたカリキュラム通りに進めることもできず、とても大変な中で本当に頑張っておられると思います。では、私達放課後等デイサービスの役割は何なのか?それは、学校で教えてもらったこと+アルファのことをどんどんと進めていくことなのだと思います。毎週木曜日の体育館活動活動では試合以外にもボールのパス、シュート練習にも力を入れ始めました。まもなく訪れる長期休みに行う「朝の会」では、新聞記事からテーマを探して、自分はどう思うのか、お友達はどう思っているのかを話し合ったり、数ヶ月に一度子どもたちだけで行う「おもちゃ会議」でもディスカッションの場を設けたりと、なにかといろいろ新しいことにもチャレンジしています。おやつを買うときもみんなの木ではおこづかい帳に記入方式。自分でお金の管理ができるなんて、ほんとうにすごいなと感心します。
まだまだ厳しい情勢でたくさんの制約もある中ですが、「こんなの教えてもらっていないもん!」となる前に「あ、これ知ってる!」と思えるようになる瞬間が増えるように。そんな居場所になれるように頑張っていこうと思います。